美術室のユーレイ
「…え?」
私は思わず手を止めた。
「舞空?どうかした?」
美斗くんが横目で私を眺めている。
い、今のって…なに?
突然私の頭に響いてきた会話。
なんだろう…なんか知っているような…。
なんだっけ…。
思い出そうとするも、記憶が封じ込められているみたいで上手く思い出せない。
「舞空!?」
ハッ…。
美斗くんの声で我に返った。
「どうしたの?突然険しい顔して固まっちゃって」
美斗くんは心配の表情を浮かべている。
「あ、ううん。大丈夫。ごめんごめん、続き描くね」
さっきのがなんだったのか気になるところだけど、今は絵を描くことに集中しないとね!
「本当に大丈夫?」
「大丈夫大丈夫!ほら、じっとしてて」
私は気持ちを切り替え、ペンを取った。