美術室のユーレイ



白い煙は徐々に薄まっていき、渦の中からソレは姿を現した。



「やあ、こんにちは」



「ぅわ…あ…」



声らしからぬ声が出た。


同時に腰を抜かした。


いつの間にか体は自由を取り戻していた。




そして現れたのは……男の人。


背がスラッと高くて私の学校の制服を着ている。


ブレザーの袖には黄色い絵の具の跡がついている。


なかなかのイケメン。






…って、えっ、人?


ヒューマン?


なぁーんだ人かぁ…。








……っていやいやいや!


人は煙の中から出てこないから!


マジシャン?なんなのこの人!

< 8 / 267 >

この作品をシェア

pagetop