美術室のユーレイ
…数十分後。
「この色をここに入れてっと…よし、できたぁー!」
「お、まじ?みせてみせて!」
美斗くんはすぐに私のところに飛んできた。
数十分間もずっと同じ体勢をしていたのに全然疲れてない様子。
ユーレイって疲れないのかな。
「じゃーん!…どうかな?」
美斗くんは私の絵を隅から隅までまじまじと見ている。
その瞳がだんだんと開いていく。
「えっ!すごー!めっちゃ上手いじゃん舞空!」
「えへへ、そーお?」
コンクールで賞を取る腕前をもつ彼からしたらこんな絵、なんでもない絵なんだろうけど、それでも褒めてくれるのは純粋に嬉しい!
「舞空、成長したね」
そう言いながら私の絵を嬉しそうに眺めている。
え…?成長…?