美術室のユーレイ
「美斗くんって私の人物画見るの初めてだったよね?」
「え?…あっ」
美斗くんは「やっべー…」とでも言いたげな顔で気まずそうに目を逸らした。
口を滑らせちゃった感満載。
私は問い詰めた。
「どういうことなの?いつの私から成長したって言うの?」
「いや…それは…」
完全に焦っている美斗くん。
困らせることを聞いているという自覚はあったけど、1度暴走した私は止まらなかった。
「前々から思ってたんだけど、なんか美斗くんって謎があるって言うか、つかみどころがないって言うか…。私になにか隠してるでしょ?」
美斗くんは瞼を下げ黙っている。
そして小さく呟いた。
「ごめん…」
美斗くんはとても悲しそうな顔をしていた。