美術室のユーレイ
状況を飲み込めず、若干パニックになっている私の顔を男の人は黙ってジーッと見てきた。
数秒間目が合う。
な、なに…?私の顔に何かついてる?
私が怪訝な顔をして見返していると、男の人は私を見るのをやめ、なぜか悲しそうに目を伏せた。
「やっぱり…覚えてない…か」
ものすごく小声で何かを呟いた気がしたけど、独り言だったのだろう、何も聞き取れなかった。
なんて言ったんだろう…。
聞き返そうか迷っていると、さっきの悲しそうな顔は嘘だったのか、でもやっぱり貼り付けたような笑顔で言った。