美術室のユーレイ





「舞空はほんと、世話が焼けるね」


声が聞こえたかと思うと私の落下は止まった。


びっくりして目を開けると、私の体は宙に浮いていた。


正確にはお姫様抱っこをされていた。



「お待たせ、舞空」


「美斗くん…」


そう言って私の涙を指で優しく拭いてくれた。



美斗くんがまた、助けてくれた。


こんな私でも見捨てずにいてくれた。


美斗くん…。


「おっと、こうしちゃいられない。悪霊をどうにかしないとね」


そう言うとさっき私が突き落とされた図書室へと向かって飛んで行った。


異様な雰囲気を漂わせているのが窓の外からでもわかった。



美斗くんの青い瞳が光っている。


「やっぱり…あの子は悪霊?」


「そうだよ。たぶん舞空が精神的に弱くなってたから現れたんだと思う」


そういえば精神的に弱くなってると現れるって言ってたっけ…。



また、迷惑かけちゃったな…。

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