君に花束を
はぁ、あんなのが幼馴染だと思うと私、ちょっぴり恥ずかしいよ……。
「……俺らも行くか」
「うんっ」
歩き出した晴くんの横に並び、私たちの新しい教室に向かう。
晴くんの横顔を盗みみて、ニンマリと笑みが漏れてしまう。
はぁ、晴くん。今日もステキ……。
「……ニヤニヤすんなよ、馬鹿」
「えー?やだ晴くんたら、照れ屋さんなんだから」
「〜〜っ、うわ、今本気で鳥肌たった」
失礼な。でも……
「晴くんだから許しちゃう!」
心の中の呟きは自然と口から漏れ出ていて。
「お、俺、先行くわ」
「えっ、ちょ、晴くん!?」
駆け足で去っていくその背中を追いかける。
「置いてかないでよー!」
2年生。修学旅行や沢山のイベントをこれから大好きな人たちと過ごせる。
そんな期待を胸に、黒いパーマのかかった髪の彼を追いかけた。