君に花束を
ヒィっ……、あれは絶対怒ってらっしゃる!
しょぼん、として席に着き溜息をつけばクラスメイトに大笑いされる始末だ。
……でも、晴くんのことは諦めないからね!
そんなこんなで始業式も終わり、各々帰る準備を始めている。
「なぁー、せっかく皆同じクラスになれたんだから遊びにいこーぜ」
「おぉー、俺はいいよ」
「どうせならクラスの奴ら誘ってさ、カラオケでもどうだ」
「…まぁ、親睦を深めることはできそうね」
「やったー!じゃあ、クラスの皆んなには奏からよろしくね!」
「え」
「嫌なの?奏が言い出したのに」
「…わかったよ!そのかわり葵はカラオケ予約してくれよ。大人数なんだし」
「はーい。駅前のでオーケー?」
「あぁ。何人か声かけてみるけど、集まらなかったらそん時は俺に任せたこと責めるなよ」
「そんなことしないわよ。なんなら日向の名前出せば皆んなくるでしょ」
「確かに。んじゃあまた後でな」
片手をポケットに突っ込んだまま、手を振り廊下へ出て行った奏を見送り、私たちもカラオケ店へ足を運ぶことにした。