君に花束を



ヒィっ……、あれは絶対怒ってらっしゃる!




しょぼん、として席に着き溜息をつけばクラスメイトに大笑いされる始末だ。




……でも、晴くんのことは諦めないからね!




そんなこんなで始業式も終わり、各々帰る準備を始めている。




「なぁー、せっかく皆同じクラスになれたんだから遊びにいこーぜ」




「おぉー、俺はいいよ」




「どうせならクラスの奴ら誘ってさ、カラオケでもどうだ」




「…まぁ、親睦を深めることはできそうね」




「やったー!じゃあ、クラスの皆んなには奏からよろしくね!」





「え」





「嫌なの?奏が言い出したのに」




「…わかったよ!そのかわり葵はカラオケ予約してくれよ。大人数なんだし」




「はーい。駅前のでオーケー?」




「あぁ。何人か声かけてみるけど、集まらなかったらそん時は俺に任せたこと責めるなよ」




「そんなことしないわよ。なんなら日向の名前出せば皆んなくるでしょ」




「確かに。んじゃあまた後でな」




片手をポケットに突っ込んだまま、手を振り廊下へ出て行った奏を見送り、私たちもカラオケ店へ足を運ぶことにした。


< 6 / 18 >

この作品をシェア

pagetop