溺愛婚約者と秘密の約束と甘い媚薬を




 柊に2回目をお願いされた後。
 柊はその後も、何度も風香を求めた。もちろん、休みなくという訳ではない。2人で余韻を楽しみ、抱きついたり小さなキスをしたりしてじゃれていると、そこからお互いに熱が高まって、自然にまた体を合わせていた。
 最後は風香が終わってすぐに眠りについてしまったようだ。

 体が気だるいのも、声ががらがらになっているのにも納得がいく。
 風香は、ゆっくりと起き上がろうとしたけれど、体に力が入らなく、そのままベットに戻ってしまう。


 「………体、疲れてるんだよ。まだ寝てていいよ」
 「でも………もうお昼なんじゃ……」
 「風香ちゃんは、俺とくっついていたんでしょ?」
 「うん………」
 「これ俺のシャツだけど着てて。今、お水持ってくるから」


 そういうと、柊は持っていた白いTシャツを風香に渡して部屋を出て行ってしまう。
 風香はゆっくりと上半身だけを起き上がり、彼のシャツに袖を通す。すると、彼の服からは柔軟剤だろうか、いい香りがしてくる。柊の香りだ。そう思って、嬉しくなってしまう。

 しばらくすると、柊が寝室に戻ってきた。
 先ほどは気づかなかったけれど、彼はいつも寝るときに来ているスエット姿になっていた。



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