溺愛婚約者と秘密の約束と甘い媚薬を
「お待たせ。お風呂もつけてきたから、後で入ろうね。あと、これ……」
「ありがとう…………?これは………」
ペットボトルだと思って受け取るために差し出した手に、変わりに小振りの紙袋が置かれた。
風香が不思議そうな顔をしていると、柊はにっこりと微笑んだ。
「誕生日おめでとう」
「あ………」
「3つ目のプレゼントだよ。これが1番の本命だけど」
今日は風香の誕生日。
前日からお祝いしてくれていたはずだったのに、彼に夢中になりすぎて忘れてしまっていた。今回の誕生日は、何回忘れたのだろう。風香は心の中で苦笑いしてしまった。
「ありがとう………開けてもいい?」
「もちろん」
彼からプレゼントを受け取り、丁寧に包装紙を解いていく。
すると、中から皮製のキーケースが出てきた。そして、そこには傘のイラストが描かれていた。