溺愛婚約者と秘密の約束と甘い媚薬を
「本当にムカつく女………」
風香の囁きが聞こえたのだろう、憎たらしいと言った表情で風香をキッと強い視線で睨み付けた。
その視線のまま近くに居た男達に顎で何かを指示した。すると、黒パーカーの男達は縛られたままソファに倒されている風香に、ゆっくりと近づいてきた。
「……な、なに………やめて………」
「大丈夫。痛いことはしないわ。そんな事をしてもしゃべらなくなってしまったら困るから。だから、気持ちいいことして貰えば諦めがつくんじゃない?」
「何言ってるの…………ねぇ、美鈴………止めて、もうこんな事は止めてよっ!」
「好きでもない男に抱かれる気持ちを味わうといいわ」
「っっ………や…………」
風香の周りに数人の男達が近づき、「ワインの匂いでクラクラするな」「こういうシチュエーション興奮するぜ」などと、目をギラギラさせながら話している。風香が怯え、震えている事さえ楽しんでいるようだった。
1人の男が風香の服を捲し上げ、他の男は足に触れたり、首筋に顔を当てて、ワインの跡を舐めとろうとしている。それだけで、声にならない悲鳴が上がる。
風香は助けを呼ぶ声さえだせずに、知らない男達に肌を触れられ、ただただ目を瞑るしかなかった。