溺愛婚約者と秘密の約束と甘い媚薬を
「何で謝るの?……って聞いても教えてくれないんでしょ?」
「明日教える。絶対に」
「わかった。柊さん、意外に頑固だから、私が泣いても教えないよね」
「そんな事は………」
「じゃあ、泣こうかな」
「教えない」
そう言った柊と風香はお互いの顔を見て、思わず笑ってしまう。
やはり彼といると安心する。
守れなかったという彼だけれど、風香はしっかりと助けられている。
「さぁ、まずはお風呂入って。それからおいしいものを沢山食べて、一緒に寝よう。今日は心配することも何もない。2人でゆっくり寝よう」
「明日は寝坊していい?」
「うん、もちろん。君が起きるまで俺も傍に居るって約束する」
「わかった。ありがとう」
風香はそう言うと、手を広げたて彼を自分の胸の中に招いた。
知らない男に触れられて、ワインまでかけられた格好。だけれど、柊の切ない顔を見てしまったら、その顔を笑顔にしたいと思ったのだ。
風香の姿を見て、また顔を歪ませたけれど、風香がニッコリと微笑み、柊に「早く!」と急かすと、彼は少し照れながらも膝をついて風香の近くに寄ってくれる。
そんな彼を手を伸ばして引き寄せ、自分の胸の中に彼を抱きしめる。