溺愛婚約者と秘密の約束と甘い媚薬を
「滝川さん、今回はご迷惑おかけして、すみませんでした。これから、美鈴の事もよろしくお願い致します。もちろん、柊さんの事も。私は影ながら支えていきたいと思っています」
「………わかりました。やはり、しっかりとした方だ。ドラックの服用は認めんが、青海の事を頼めるお人柄だ。ぜひ、興味があったら警察に………」
「滝川さん!すぐに警察に勧誘するの止めてください!」
「俺は誰でも誘うわけではない。素質がありそうな人を………」
「風香は好きな仕事をしているんですから。無理です」
そう言って風香の代わりに、柊がきっぱりと断ってくれる。滝川は残念そうにしていたが、風香だって警察になるつもりはなかった。
あんなにも好きな、絵を描く事を止められるはずもないのだから。
その後、事件の取り調べを行った後、病院にも足を運んだ。医師の指示なくメモリーロスを飲んでしまったのだ。柊は一刻も早く風香を通院させたかったようだ。
そして、そこの病院でも「何やってるんですか……」と、呆れた表情で大きなため息をつかれてしまった。柊は医師の相談し、指示をもらっていたようだが、風香にも「今後無茶な事はやめてください」と釘を打たれてしまった。
「高緑さんが服用した薬は、医師が処方する薬の1.5倍の強さがありました。くすりの1.5倍というのは、かなり多い量になります。眠りについただけで済んだのが奇跡でしょう」
「………そう、ですか………」