溺愛婚約者と秘密の約束と甘い媚薬を
前回と同じように駅での待ち合わせ。
今回も柊の方が早く駅で待っていてくれた。
「こんばんは。お仕事お疲れ様です」
「お疲れ様。近くの駐車場に車止めてるから行こうか」
「はい」
柊はそういうと車まで案内をしてくれた。
彼の車はネイビー色の高級車だった。案内されたのと見たことのある車だったので、風香は安心した。
「じゃあ、風香さんに……はい、これ」
「これは?」
助手席に座ると、隣に座った柊が何が入ったビニール袋を差し出してきた。風香は不思議に思いながら受け取り中身を見ると、そこにはミネラルウォーターのペットボトルに飴、コンビニで売っている梅干しが入っている。
「風香さん、車酔いしやすいってこの間話してたから。そんなに長い時間乗ってるわけじゃないんだけど、こういうのあった方がいいかと思ったんですけど……ほら、梅干しとか酔うのに効くっていいますよね?あ、それと、クローブボックスにお菓子も入ってるので、どうぞ」
そう言って、柊は風香の前にあるボックスに手を伸ばして開けると、そこからはチョコやグミ、おせんべいなどのお菓子が入っていた。