溺愛婚約者と秘密の約束と甘い媚薬を
「何も心配するな、とは言えないけど。今日は何も考えないで寝るといいよ。ここは安全だよ。俺は警察だから。それにこう見えても鍛えてるんだから」
「柊さんの体、鍛えてるんだなーって分かるよ。腕とか堅いし………」
「あれ?気づいてたんだ………」
キョトンとした顔を見せた後、柊はそう言いながら微笑んだ。けれど、いつも笑顔ではなく、何となく裏がありそうな含み笑いだった。風香の傍に近寄ると、柊は間近まで顔を寄せて来た。
「一緒にお風呂に入って、確かめてみる?」
「っっ!?柊さん………?」
「ははは、冗談だよ」
突然のお誘いに風香は多きな声を上げて、後退りしてしまうと、柊は楽しそうに笑った。
「……もう……部屋に来ただけでもドキドキしているのに、冗談なんて言わないで……」
「今日は冗談って事にしとくけど、風香ちゃんとお風呂に入りたいのは本当だから」
「柊さんっ!!」
顔を真っ赤にして怒る風香を見て、柊はまた声を出して笑っていた。
風香を笑わせるための冗談なのか、本気なのかはわからない。どちらにしても、内心では嬉しい風香だった。