溺愛婚約者と秘密の約束と甘い媚薬を
17話「考察と花」
17話「考察と花」
その日の日中は、時々頭痛に襲われながらも、持参していたノートパソコンで仕事をこなしていた。けれど、やはり自宅にあるデスクトップのものでなければ出来ない仕事もある。自宅に戻るのは、今日は控えた方がいいと柊に言われてしまったので、取りに行く事も出来ないのだ。出来る事だけでもここでやらないといけないと、風香はさらに気合いを入れた。
柊の家は高層階にあるためかとても静かだった。風香は、集中して仕事をしているうちにあっという間に時間が過ぎていった。
朝御飯にと柊が準備してくれたフルーツサンドは甘すぎないクリームとイチゴの酸味がピッタリ合っており、とてもおいしかった。1度食べてしまうとお腹が空いていたのが感じてしまうようで、ハムや野菜が挟まっているサンドイッチもペロリと完食してしまった。
少し息抜きをしようと、風香は腕を上の伸ばしながら、リビングの窓辺に立った。窓からは、春の柔らかい光りを浴びて輝く街並みが広がっていた。