もう一度だけ、キミに逢いたい。
プロローグ



小さい頃のわたしは、“幸せ”は、誰もが当たり前のように手に入れられるものだと信じきっていた。




大好きなパパとママとお兄ちゃんとお姉ちゃんと妹たちがいて。


小学校の友達といっぱい遊んで。


将来は世界で一番大好きな人と結婚する。




これらの普通の“幸せ”が叶わないなんて、思いもしなかったんだ。




でも、今考えてみれば、わたしってなんて無邪気なんだろうと思う。


誰もがみんな“幸せ”になんて、なれるはずがなかったんだ。




わたしはたったの9歳にして、絶望にも等しい現実を突きつけられることになる……───






そう、例えば今のような……───




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