もう一度だけ、キミに逢いたい。

「いいんだよ、んなもん。それより……少し落ち着いたか?」


そう言いながら優しくわたしの頭を撫でる伊織くん。




……そうだった。


わたし、短期間で色々なことがありすぎたせいで、頭の中混乱しすぎて疲れて寝ちゃったんだもんね。


「う、うん…大丈夫だよ。もう落ち着いたから」


「…そうか、良かった」


伊織くんは再びわたしの頭を撫でてくる。




……この温もり、なんだか懐かしい感じがするなぁ。


“大好きだったあの二人”も、いつもこんな風にわたしの頭を撫でてくれた。




……あれ。


そういえば、さっき何かの夢を見た気がする。


なんかこう…久しぶりに“みんな”に会えたような会えなかったような…


ちゃんとは覚えてないけど、こんなに気持ち良く寝たのはいつ以来だろうか。

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