もう一度だけ、キミに逢いたい。

「…っあ、ご、ごめんね、鈴木さん。勝手に座ちゃって…」


……そんなに怯えなくても。


わたしって怖がれてたっけ?


まあなんでもいいけど。




「……別に、大丈夫。こっちこそ話してたのにごめん」


「う、ううん…。鈴木さんが謝ることないよ…!それに、話すのはどこでも出来るから…」


「ってことでごめんね。お邪魔しました。あっち行こ、あみ」


「えっ…あ、うん…」


そう言って笹原さん?の友達らしき人と笹原さんと思われる人は去っていった。


…一体なんだったんだ?


どちらもわたしと席は近くないのに、なんでわたしの席に…




……ってそれよりも。


今は伊織くんのことの方が大事。


考えろ考えろ…


伊織くんの家庭事情は前にちらっと聞いているけど、しばらく会えないほどの家の用事があるとは思えない。

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