もう一度だけ、キミに逢いたい。
一際輝いて見える彼、もとい月島 伊織 (つきしま いおり)くん。
確か……わたしの隣の隣のクラスだったはず。
友達も彼氏もいなくて、地味に目立たないようにひっそりと学校生活を送っているわたしとは正反対の人間。
彼は一年生にして、学校一のイケメンという肩書きを持たされている。
おまけに成績優秀、スポーツ万能で、もちろん、学校で一番モテている。
ほとんど毎日呼び出されては告白されているらしい。
でも、当の本人は、好きな人がいるから、と全ての告白を断っていると風の噂で聞いた。
わたしは彼に興味は微塵もないが、嫌でも彼の情報は入ってくる。
だって、クラスメイトの口から彼のことを聞かない日はないから。
…って彼のことは今はどうでもよくて。
とりあえず行かないと。