もう一度だけ、キミに逢いたい。
『私に……ですか?』
『ええ』
すると、理事長の後ろから目を見張るほど綺麗な女性が姿を現した。
『お仕事中に大変申し訳ございません。私、今年入学する鈴木 友梨乃の姉、鈴木 光と申します。妹のことで少々お話しておきたいことがありまして。よろしければ少しお時間をもらえないでしょうか?』
スッと綺麗にお辞儀をして堂々とそう述べる彼女は、とても凛としていた。
『…分かりました。ではこちらにどうぞ』
私は、彼女を保健室の奥にある部屋へ案内した。
『…突然すみません、お仕事中に…』
彼女はとても律儀な人なのか、申し訳なさそうな顔で再度謝罪の言葉を口にする。
『いえ、全然大丈夫ですよ。今は生徒も誰もいませんし。それより、私にお話というのは、どのような要件で……?』