もう一度だけ、キミに逢いたい。

『あ、はい。少し長くなってしまうんですけど…実は私と妹、二人暮らしなんです。それでその妹なんですが、昔色々ありまして……昔よりは状態は良くなっているんですが、言ってしまえば、精神状態はあまり良くないんです…』


『……ということは、良く保健室へ来るかもしれないということですか…?』


確信を持ちながらも疑問形で返す。


しかし、彼女は首を横に振って否定した。


『いいえ…妹は私以外に決して弱みを見せない子なので…。いつも他の人には本音を見せないどころか、自分から壁を作って関わろうとしないんです。だけど、それもそのはずなんです…。妹は、人と関わるのに強いトラウマがあるので…』




……はあ、なるほど。


彼女の妹の事情は分かったけれど…


でも、保健室に来ないんだとしたら、なんで私にこの話をしたのか…


< 121 / 471 >

この作品をシェア

pagetop