もう一度だけ、キミに逢いたい。
『…それでも。人間嫌いでもあり、人間をある種怖がっている妹にとって、この学校という環境は、恐怖と嫌悪の対象でもあるんです。だから…もしかしたら、何か小さなことがキッカケで壊れかけてしまうかもしれないんですっ……』
グッと涙を堪えて話す彼女の表情は険しい。
『そうなったら、他人に弱みを見せたくない妹は、絶対と言っていいほど保健室に来ると思います…。だから…その時は何も聞かずに休ませてあげてほしいんです…。それと、その時はどうか私にご連絡していただけませんか…?妹を引き取りに来るので…』
……色々と突っ込みたいところはあった。
人と関わることがそんなに強いトラウマなのに、何故普通の高校に通うことにしたのか。
それと、何故か会話に一度も出てこない両親のこと。
話からして、両親が亡くなったとかではなく、かなりの訳ありだということはなんとなく分かったが。