もう一度だけ、キミに逢いたい。
少女は発作を起こしたように再び泣き出し、暴れ出す。
……そう、今の彼女には、“幸せ”という言葉禁句だったのだ。
少年は、少女を慰めるつもりだったのに、逆に少女が泣き出してしまったので、一人焦っていた。
すると、どこからか若い女性が誰かを呼ぶ声がした。
『ゆりちゃん…!!どこ……!?いるなら返事して……!!』
『…っひかる、ちゃん……?』
思いきり泣いていたはずの少女は、その声にピクッと反応する。
『光ちゃんっ…!どこ…!?光ちゃんっ……!』
誰かを探す声の主の女性と少女は知り合いなのだろうか。
もしそうならば、彼女の名前は“ゆり”ということになる。
『ゆりちゃん……!!やっと…やっと見つけた……っ、はあ……』