もう一度だけ、キミに逢いたい。
泣き疲れて眠っている少女を抱きしめる彼女。
二人がどういう関係なのかは分からないが、彼女はまだ高校生くらいのように見える。
そして少女と同じく、とても美しい容姿をしていた。
『あのっ…』
少年は思いきって彼女に声をかける。
『…あれ、きみ、ゆりの知り合い……?』
こちらを見て不思議そうに首を傾げる彼女。
『い、いえ…。ここでその子が一人泣いているのを見て、声をかけたんです。それで、慰めようとしたんですけど、逆に泣かれてしまって…。本当にすみません……っ』
『何故……きみが謝るの?』
彼女はそう言いながら、じっと少年の方を見つめていた。
『…えっ…いや、その……俺が言った言葉のせいで、すごく傷つけてしまったみたいなので…』
『……そっか。でもきみは、ゆりを見て、分かったんじゃない?……普通じゃない何かを抱えてるって』