もう一度だけ、キミに逢いたい。

あっ…そ、そうだった、忘れてた…!


わたしは慌てて口を噤む。




すると、ベッドを仕切るカーテンの隙間から先生がひょこっと顔を出した。


「あら、鈴木さん起きたのね。どう?少し寝て落ち着いたかしら?」


「せ、先生…。大きな声を出してしまってすみません…」


「ああ、いいのよそんなこと。第一、今いるのはあなただけで、他の生徒はいないから」


良かったぁぁ〜……


今の生徒の誰かに聞かれてたら、結構ピンチだったよね…




「……ゆりちゃん、今日は帰ろっか」


わたしを抱きしめ返しながら、静かに口を開く光ちゃん。


「…ほんとに、いいの……?」


「…ほんとにって?」


「だ、だって…わたしは光ちゃんと離れたくないけど、光ちゃんもこの時間は大学でしょ……?」

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