もう一度だけ、キミに逢いたい。

それに、相変わらずわたしが一番気になっている“キミ”の顔はやっぱりぼやけててよく見えない。


……なんでかなぁ。


“わたし”や光ちゃんの顔ははっきり認識できるのに。




トントン


「ゆりちゃん、朝だよ〜…って。あ、起きてる。おはよう、ゆりちゃん」


「ん…おはよう、光ちゃん」


「朝ごはんできてるよ。着替え終わったらおいで」


「…うん」


眠気を覚ますため、顔を洗ってから服を着替えてリビングへ行く。




リビングの扉を開けた途端、匂ってくる美味しそうなごはんの匂い。


「…いい匂いがする」


「ほんと?今日も朝からゆりちゃんの好きなものいっぱい作っちゃった」


そう言ってえへっと無邪気な笑顔を見せる光ちゃんは本当に可愛い。


普段は大人っぽくてあまりこう言う顔はしないから尚更。

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