もう一度だけ、キミに逢いたい。
【09.】伊織くんのそばにいたい
わたしは今まであったことを最初から一つずつ光ちゃんに話した。
わりと頻繁に告白されていたのに、全部断っていたことをはじめ、伊織くんに告白されて断ったけど、放課後一緒に過ごしていたこと。
気づいたら彼に心を許していたこと。
彼の存在に依存しかけていたこと。
それから、あの日、彼にしばらく会えないと伝えられて胸が締め付けられるように苦しかったことなど。
今まで一人胸の中に、必死に隠してきた想いが溢れ出た。
それ故、最後の方は少しぐちゃぐちゃになってしまった。
「ごめんね…光ちゃん…。自分の気持ちに整理がつけられなくてっ……今までずっと言えなかった……っ」
とりあえずぐちゃぐちゃでも何でも、光ちゃんに話せたことに安堵して、次々と滝のように流れ出す涙。