もう一度だけ、キミに逢いたい。

「え〜、なにそれ〜」


ゆりちゃんってたまに変なこと言うよね、なんて一人でぶつぶつ言っている光ちゃん。


……いや、それはわたしじゃなくて光ちゃんの方でしょ…




「…あ、そうだゆりちゃん。さっきの話に戻るんだけど、いいかな…?」


「……うん、大丈夫」


だって今のわたしには、光ちゃんという心強い味方がいるから。


「あのね、さっきの話、だいたいは分かった。それで一つ気になってるのは、なんでしばらく会えないの手紙だけで避けられてることを確信したのかなって…。その前に何か変わった出来事でもあったの?」


あっ…それは……


そっか…わたし、あのこと光ちゃんに話し忘れてた…




「実はね……」




…………………………




遡って今週の月曜日。


この日はまだ、しばらく伊織くんと会えなくなることを知らなかったから、いつも通りの学校生活を送っていた。

< 142 / 471 >

この作品をシェア

pagetop