もう一度だけ、キミに逢いたい。

わたしの言葉に、先輩の表情が崩れた。


「ふーん…やっぱり誰とも付き合わないって噂はほんとだったんだ…」


…なんかこの先輩、雰囲気が…


さっきまで爽やかそうな印象だったのに、今はなんだか危なげな雰囲気が漂っている。




……逃げなきゃ。


そう思った時にはもう遅かった。


壁際に追いつめられ、両手を掴まれて壁に押しつけられた。




「ちょっ……何するんですか……っ!離してください!」


「離すわけないじゃん。大体、呼び出されたからって、こんな体育館裏に来るのが悪いよね?」


「く……っ、」


そうだ、あんまり気にしてなかったけど、今まで告白の呼び出しで、体育館裏を指定されたことはない。


わたしの注意不足だっ……

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