もう一度だけ、キミに逢いたい。
“あの時”はまだ病院から退院したばっかりだったからなぁ…
“幸せ”とか、存在を否定されるような言葉の類いには特に敏感だった。
でも“キミ”は、ただわたしを励まそうとしてくれていただけなんだよね。
“今のわたし”にはちゃんと分かる。
すると、光ちゃんと思わしき若い女性が“わたし”を呼ぶ声がした。
『ゆりちゃん…!!どこ……!?いるなら返事して……!!』
『…っひかる、ちゃん……?』
思いきり泣いていたはずの“わたし”は、その声にピクッと反応する。
『光ちゃんっ…!どこ…!?光ちゃんっ……!』
“わたし”は必死に光ちゃんの名前を呼んでいる。
この頃、今以上に光ちゃんに依存していた“わたし”。
少し光ちゃんのそばを離れただけで、すごく不安を感じては泣いてばかりだった。