もう一度だけ、キミに逢いたい。



声をかけようにも、なんて声をかければいいのか分からなかったんだろうね。


“わたし達”の事情を知らない“キミ”は…




泣き疲れて眠ってしまった“わたし”を抱きしめる光ちゃん。




……こう見ると“わたし”、やっぱり小さいな…


それに、足も腕もとにかくほっそい。




“あの日”…わたしの全てが失われた“悪夢の日”までは、もう少し健康的な細さだったのにね…




『あのっ…』


今までずっと黙っていた“キミ”は思いきって光ちゃんに声をかける。


『…あれ、きみ、ゆりの知り合い……?』


こちらを見て不思議そうに首を傾げる光ちゃん。


……かわいい。




『い、いえ…。ここでその子が一人泣いているのを見て、声をかけたんです。それで、慰めようとしたんですけど、逆に泣かれてしまって…。本当にすみません……っ』


やっぱり顔はよく見えないけど、すごく申し訳なさそうにしてるのが分かる。


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