もう一度だけ、キミに逢いたい。



『何故……きみが謝るの?』


光ちゃんはそう言いながら、じっと“キミ”の方を見つめていた。


『…えっ…いや、その……俺が言った言葉のせいで、すごく傷つけてしまったみたいなので…』




『……そっか。でもきみは、ゆりを見て、分かったんじゃない?……普通じゃない何かを抱えてるって』


光ちゃんの言葉に、“キミ”は大きく目を見開く。




……ん?

ちょっと待って……!


さっきまで“キミ”の顔はモヤがかかってよく見えなかったはずなのに、だんだんとはっきり見えるようになってきてる……!


な、なんで……?




わたしが驚きすぎて若干パニックになっている間も、当たり前だけど、夢はどんどん進んでいく。




『どうして、そのことを……』


“キミ”も“今のわたし”と同じように、少し驚いたような、戸惑ったような表情をしている。


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