もう一度だけ、キミに逢いたい。

だから、大嫌いと思う以上に“運命”なんて言葉、一ミリも信じていなかった。


いや、信じないようにしていた。




それなのに……伊織くんとのこの出逢いは運命、そして奇跡だったのかな、なんてどこかでそんな風に思っているわたし。


伊織くんのことになると、今までのわたしは全て覆ってしまうんだ。


それが最初はものすごく怖かったのに、今ではそれ以上に、伊織くんのそばにいたい、好きという気持ちの方が大きくなっている。




もうわたしの世界の中心にいるのは伊織くん。


今までは光ちゃんがいればそれでよかったのに、今はそれじゃダメなんだ。


その想いは、“キミ”＝伊織くんと分かって、更に強くなった。