もう一度だけ、キミに逢いたい。
……うそは言ってない。
でも、光ちゃんに夢の詳細まで言ってしまえば、反応で“キミ”=伊織くんだって分かっちゃうと思うから。
わたしが伊織くんに最終確認をするまでは内緒にしておこうと思う。
……光ちゃんもそれを察してくれたみたい。
「…うん、ゆりちゃんがそう言うのなら、私はどーんと構えて待ってるね!」
「ありがとう、光ちゃん。…わたし、学校行ってくる」
「行ってらっしゃい、ゆりちゃん!」
家を出る時、光ちゃんがお守りねって言ってギュッと抱きしめてくれた。
わたしは家から一歩出ると、一つ、大きく息を吸う。
……さあ、行こうか。
学校という名の戦さ場へ。