もう一度だけ、キミに逢いたい。
* * *
“伊織様に近づくな”
“たいして可愛くないくせに調子に乗るな”
“ブス”
“死ね”
……っ!
三番目まではまだいい。
でも……最後のはちょっときついかな……っ。
わたしにとっての禁句。
それこそ、存在を否定されるような言葉。
最初に下駄箱に剃刀が入っていた日から、ずっと嫌がらせは続いている。
下駄箱に虫の死骸が入っていたり、体育終わって帰ってきたら、机の中に入れていた教科書がなくなっていたり。
直接姿は見せないけど、わたしが想像しているよりもずっとわたしのことが嫌いなんだって実感せざるを得ない。
わたしは悩んだ末に嫌がらせをされていることを光ちゃんに話した。
もう隠しごとをするのは辛いし、何よりわたしが一人じゃ心細かったから。