もう一度だけ、キミに逢いたい。
「私よ、私。随分魘されてたみたいだけど、本当に大丈夫なの……?」
「……せん、せい」
メガネがズレているせいか、起きたばかりだからか、心配そうにわたしを覗き込む先生の顔がボヤけて見える。
魘されてたって……あ。
そういえばわたし、暗闇の中に一人取り残される夢を見てたんだった…
あの時の絶望的な気持ちを思い出して、また目からツーっと涙が流れる。
「伊織くん……っ」
あれは夢…そうは分かっていても、今のわたし達の心の距離を突きつけられているみたいで、不安な気持ちは大きくなるばかり。
いつかさっきの夢が現実になってしまうんじゃないかって。
「え……」
「え、じゃないわよ。ほら、それで涙を拭きなさい。自分で気づいてるのか分からないけど、あなた、すごい顔してるわ、目元なんか特に真っ赤よ」