もう一度だけ、キミに逢いたい。
「ええ、そうよ。目元を冷やすと気持ちいいんじゃないかと思ってね」
「……じゃあ、お言葉に甘えて使わせていただきます」
「そう、それならよかった。はい、どうぞ」
……あ、気持ちいい。
目元がひんやり気持ちよくて、さっきまで少し高ぶっていた感情も落ち着いてきた。
「…ふふっ、気持ちいいって顔、してる」
目に氷水を当てながらぼんやりしているわたしの方を見て、目を細めて微笑む先生。
その表情はそれはとても綺麗で、実年齢よりも若く見える。
「………ねぇ、先生」
「…ん?なぁに?」
わたしはしばらく先生をじっと見つめてから、ゆっくりと口を開く。
「もし、今時間があるのなら、少し手伝ってほしいことがあるんです」
「手伝ってほしいこと…?私に出来ることならいいわよ。今日も今のところあなたしかいないし」