もう一度だけ、キミに逢いたい。
逃げても逃げても、いつかは向き合わなければならない時が必ずくるって。
そう、気付いたから。
逢いたいな………伊織くん、に。
伊織くんと逢えなくなってからもう二週間以上が経っている。
でも……伊織くんに逢いたいと思う気持ちはどんどん膨れていくばかり。
わたしの心はいつだって伊織くんを求めてる。
クラスは違っても教室は同じフロアだし、伊織くんはどこへ行っても目立つから、姿を見かけないわけではないけれど。
伊織くんは常にたくさんの人の視線を集めていて、伊織くんの周りだけまるで輝いて見えるんだ。
だから、そんな伊織くんを見る度に心臓が暴れ出しそうになるくらい苦しくて、泣きそうになるの。
伊織くんがわたしに好きだって告白してくれたことが。
伊織くんと二人きりで過ごした時間が。
……まるで、嘘みたいに。