もう一度だけ、キミに逢いたい。
…どうして……?
「あ、あのっ……さっきは本当にありがとうございました。このお礼は、いつか必ずするので。それじゃ…失礼しますっ」
わたしは、彼のそんな顔を見ていたくなくて、手短にお礼を言って、その場から立ち去ろうとした。
だけど、すぐに彼に呼び止められる。
「…っ待て!」
「…はい。なんでしょうか?」
「…放課後、屋上に来てくれないか…。話があるんだ」
え……
彼がわたしに話……?
まさか、告白とかじゃないよね……?
…いや、そんなわけないよね。
だって彼には好きな人がいるっていうのは、全校生徒が知ってるくらい有名な話だもん。
その相手がわたしだなんて……うん、ありえない。
はぁ……ほんとは嫌だけど、好きな人がいるなら、さっきみたいなことにはならないし、大丈夫か。