もう一度だけ、キミに逢いたい。
わたしはできるだけ目立たないように気をつけながら、でも素早く駆け足で相手を呼び出した体育館裏に向かう。
一応呼び出した側であるわたしが遅れるわけにはいかない。
…ささやかでどうでもいいプライド。
案の定、体育館裏にはまだ誰の姿もなかった。
わたしは背中を壁に預けると、目を瞑ってそっと手を合わせる。
……友花梨、佳菜子、伶くん、秋くん、真梨絵、穂奈美、芽依菜、亜莉紗、悠芽伽……パパ、ママ。
わたし…わたし…頑張る……っ。
だから、お願い。
わたしに力を貸して……?
こんな時にだけみんなに頼むのはずるいし、みんなはもう……いない。
そんなことは分かっているけど、わたしの心の中でみんなは生き続けているから。
そして、みんなはわたしの大好きな家族、だからっ…。
そう……
───………永遠に。