もう一度だけ、キミに逢いたい。

『パパ!!パパッ……!!!どう、してッ……。そうだっ…他のみんなは……!?』


“わたし”は靴を履いたまま長い家の廊下を無我夢中で走って、勢いよくリビングの扉を開ける。




『…………っ!!!!??』




言葉にならなかった。


床にはお皿やガラスや料理や小物やらがそこら中に散乱していて、さらにはパパ以外の家族全員がっ…………、




パパと同様、血塗れで倒れていたっ……




言うまでもなく、あたり一面は血……


そう、例えるとするならば、そこはまるで、






“血の海”






のようだった………───






『……なん…で…………いやっ……いやああああああぁぁぁぁ………!!!!!!』




目の当たりにした現実をどうしても受け入れることが出来ず、みんなの名前を呼びながらひたすら泣き叫んでいる“わたし”。


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