もう一度だけ、キミに逢いたい。

「やあぁぁ……!!パパッ…ママッ…れいくんッ……みんな……ッ!!やだやだやだっ……!!!!わたしだけ置いて行かないでッ……!!!!うわああああぁぁぁぁぁぁ……!!!!」




「……っ!?ちょっ…いきなりなんなの……!?」


「こいつ、なんかヤバイよ…!正気じゃない…!」


「ね、ねぇ、もう教室戻ろう…!こんなに大声上げられたんじゃ、誰か来ちゃうよ!」


「だ、だよね…!早く行くよ…!」


わたしに暴力を振るっていた女子達の間で成されている会話も、もちろん耳に入ってくるはずがない。






「ゆりっ……!!!」


ピクッ


相変わらず大声を上げて泣き叫ぶわたしの耳に、どこからか、微かにわたしを呼ぶ声が聞こえた。




…だれッ……?


いま……わたしの…なまえをよんだのはっ……、




「ゆりっ……!!!!」




……いま…の、こえ……


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