もう一度だけ、キミに逢いたい。

「……ぃ…ぅぉ…り……く…ん……?」


わたしは震える声でわたしを呼ぶ主の名前を呟く。




「ゆりっ…、ゆりっ……!!!!」


ギュゥゥ…




「ゆりっ…ゆりっ…ゆりッ……」




わたしを包む暖かい何かは、間違いなくわたしの大好きな伊織くんの温もりで。






なんでここに伊織くんがいるの、と聞きたかったけれど、わたしの心は限界をとっくにこしていて、そのまままるで催眠にでもかかったように、プツンと意識が途切れた……───




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