もう一度だけ、キミに逢いたい。
【13.】失われた記憶
……んっ、ここは……?
目をゆるゆると開けると、ぼんやりと何かが視界に写る。
あれ……わたし、どうしたんだっけ……?
起き上がろうとすると、身体中に鈍い痛みが走った。
イタッ……
なんでこんな痛いんだっ……
わたしは痛すぎて、思わず特に痛かった右腕を抑えた。
うわっ……これは酷い。
なるべく痛みを感じないで済むように、かけてあるタオルケットをそっととってみれば、至る所に絆創膏や包帯が巻かれていたのだ。
こんな怪我するまで、わたしは一体何をやってたんだ……
原因を思い出そうとしても、全くと言っていいほど何も覚えていない。
なにこれっ……どうなってんの……っ。
身体中怪我をしているのも不思議だけど、どうしてこんな昼間から寝ているのかも分からない。