もう一度だけ、キミに逢いたい。

「……そっか、そうだよね。それはさすがにないよね…。良かった…」


明らかに安堵の表情を浮かべる光ちゃん。




……あれ、待って。


今何かが引っかかった…


なんだろう……わたし、伊織くんのこと忘れるわけないって…


いや、そりゃ当たり前だよ、好きな人を忘れる人なんてそんなこと絶対に……って、ああー!!


お、思い出した……!




「わたし、まだ伊織くんと話せてない…!」


「…えっ?」


「だ、だからね、伊織くんに放課後しばらく会えないって言われたって話したでしょ?それで、ちゃんと話すって言ったのにね、まだ話せてなかったの…!」


そうだよ、すっかり忘れてた。


すごく大事なことなのに。


光ちゃんにちゃんと伊織くんと話すって言ったことも思い出した。

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