もう一度だけ、キミに逢いたい。
* * *
次の日、光ちゃんと約束した通り学校を休み病院へ行った。
そこでの診断結果は解離性健忘症。
いわゆる記憶喪失というやつで、やはり光ちゃんが昨日言っていたように記憶に空白の期間がみられるとのこと。
記憶喪失、か…
小説とかではまあまあありがちな設定だけど、まさか自分がなるなんて思わないよね……って、“あの悪夢”を経験した手前、わたしは既に普通じゃないか……。
すると、電話を終えて戻ってきた光ちゃんが突然申し訳なさそうに顔の前で手を合わせた。
「ゆりちゃんごめんっ!私、今日のこと理事長先生に報告しに明日ゆりちゃんの学校に行かないといけなくなっちゃったんだけど、大丈夫…?」
「え…だ、大丈夫って何が……?」
わたしは光ちゃんの言う意味が分からなくて首を傾げる。