もう一度だけ、キミに逢いたい。
だから、こういう時こそ遠慮なく私を頼ってよ、ね?なんてウインク付きで言う光ちゃん。
「……そう、なのかな。でも、光ちゃんの言うように心のどこかで不安になってる。このまま忘れてる記憶を思い出さないとどうなるんだろうとか、思い出しちゃったらどうにかなっちゃうのかな、とか……。それに……」
……伊織くんと逢えなくて寂しいな、とか。
先行きが何も見えないこの生活だっていつまで続くのか分からないし、言い出したらきりがないくらい。
「……それに?」
光ちゃんがじっとわたしの方を見つめてる。
「……っ、ううん、なんでもないの。そんなの言い始めたらたくさんあるし、口に出しちゃう方が不安になっちゃうから……」
わたしは光ちゃんの目を見れなくて俯く。