もう一度だけ、キミに逢いたい。
「……ううん、やっぱりなんでもない」
「…?そっか、じゃあ今度こそ行ってきますっ」
「はーい、行ってらっしゃい、光ちゃん」
わたしは光ちゃんが門から出て行ったのを確かめてからガチャッと玄関の扉を閉める。
……光ちゃん、行っちゃったな。
口では大丈夫と言ったけれど、いざ一人になると思ったよりも寂しい。
わたしが廊下を歩く音だけが虚しく響く。
どうしよう……何もすることがない。
あ、そうだ、久しぶりにテレビでも見ようかな…
そうすれば音もして寂しさも少し紛れるかもしれない。
そう思い、リビングにいってテレビの電源をつける。
『違います!私、白崎さんを殺してなんかいませんっ!』
うわっ…刑事ドラマっ……!
わたしは慌てて別のチャンネルに変える。