もう一度だけ、キミに逢いたい。
「なん、でっ……。なんでっ…どうして伊織くんも光ちゃんもいないのッ……!!!なんでなんでなんでっ……!!うわああぁぁああぁぁああぁぁーーー!!!!」
ガタガタガタッ……ッ……!!!
ガッターンッ………!!!!
もうどうでもよかった、全てが。
家の中は泥棒や強盗が侵入したのではないかと思うくらいに何もかもがぐちゃぐちゃだったけれど、今のわたしにはそれに気づく余裕なんて一ミリもなかった。
ただただ伊織くんと光ちゃんを探し続ける。
それが今のわたしにとって唯一の精神安定剤のようなものだったから……
「伊織くんっ…!!!伊織くんっ……!!!どこッ………!!!!??光ちゃんはっ……!!!!??」
玄関の扉を勢いよく開けて靴も履かずに家を飛び出したわたしは、先程までと同じように二人の名前をひたすら叫び続ける。